時短勤務が日本人女性のキャリアを阻害しているのか

家族先日、「ガラパゴス化している、日本の女性活用」という東洋経済オンラインの記事を読んで、何を言っているんだ?と思いましたので書いてみたいと思います。

私の家族構成は、私・妻・未就学児童2人となっています。子供2人は保育園に行き、妻は働いています。妻が働いている会社は、日経WOMANでも「女性が働きやすい会社」として、毎回上位に評価されている会社です。

その会社にいる妻ですら、正直「キャリアアップ」を考えるのは難しいと思っています。「女性が働きやすい会社」の中の「女性」には、

  1. 独身女性
  2. 既婚女性(子供なし)
  3. 既婚女性(子どもあり)

の3パターンがいると思いますが、1~3全員がキャリアアップを望む場合、1と2の方たちと、3の方は同じペースで仕事をしなければなりません。

まずは、3の「既婚女性(子どもあり)」がどのような生活をしているか書いてみます。ここでは、核家族で、実家が近くにいない場合を想定します(我が家のパターンです)。

朝8時に家を出て、20時に保育園のお迎え。認可保育園の場合は18時15分を過ぎると延長保育になり、夕食ではありませんが簡単な食事が出ます。ただ、軽食ですので帰宅後は夕ごはんを食べさせて下さいと言うことになっています。保育園から帰ってきて20時15分頃、それからご飯を作って食べさせると、食べ終わるのが21時30分~22時というところでしょうか。それからお風呂に入れて22時30分頃就寝というのが生活パターンです。これは相当頑張ってのパターンですので、子どもの就寝は23時頃になるのではないでしょうか。ここで終わらずに、子どもが寝てから食器を洗い、洗濯ですね。子どもの洗濯物は非常に多いため、1週間まとめてなんてことはできません。

個人的には子どもを23時に寝せるのは遅すぎると思っています。これをもっと効率よくする方法としては、保育園ではなく、ベビーシッターさんやメイドさんを雇えば良いですね。預けている間に洗濯、夕食まで用意してもらい、20時に家についたら直ぐに全員でご飯を食べ、お風呂に入れても21時30分には就寝となります。洗濯も終わっていますので、これで1、2の人たちと同様なキャリアも考えられるかもしれません。

ただ、朝8時~20時までベビシッターさんをお願いすると、時給800円で考えても1日9,600円です。1ヶ月20日あるとして192,000円/月払うことになります。払う側にしてみると非常に高い金額ですね。但し、受け取る側としてはどうでしょうか?年間で計算すると230万円程度です。年収230万円の非正規雇用となります。年収230万円の非正規雇用というと、格差がどうのこうのと騒ぐ人が出てきます。

東洋経済オンラインの記事ではアジア・米国と日本を比較していますが、決定的な違いはこの格差ではないでしょうか。日本では移民を受け入れていませんので、金銭的な理由からも、文化的にも簡単にベビーシッターさんやメイドさんを雇えません。

この現状の中での解決策として「時短勤務」が用意されて、その制度を使っている人が多いのではないでしょうか。少子化と格差を考えて、女性のキャリアを犠牲にするというのが日本社会であり、これに女性のキャリアを考えろというのであれば、少子化か格差を犠牲にしなければならないのではないかと思います。もちろん、少子化が一番の問題だと思いますので、残るのは格差だけになります。そうなると、米国やアジアと同じように子供がいる女性もキャリアプランを考えられるようになりますね。

当然、男性のキャリアを犠牲にするとう言う選択肢もあります。我が家は私のキャリアを犠牲に、と言うことを考えているわけではありませんが、私が保育園の送り迎えや育児の多くを行なっているため、妻はフルタイム勤務です。私が起業しているからできるのであって、一般的なサラリーマン家庭で同じ事を求めても難しいとは思います。

妻はフルタイム勤務ですが、それでも、定時に帰ろうとしたり、在宅勤務を行おうとすると、よく思わない人も職場にはいるようです。また、女性でも上司になっている方もいますが、大部分は2のDINKSか1の独身の方です。

子育て、格差社会、女性のキャリアアップをすべて解決する方法としては、ベビーシッター・ロボットやメイド・ロボット等が開発されることでしょうか。ただし、ここまでのことをロボットができるようになった場合、「機械との競争」ではありませんが、雇用がすべて機械に奪われますのでキャリアアップなどを考える事も無くなるでしょう。

時短勤務が日本人女性のキャリアを阻害しているのか” への2件のコメント

  1. ピンバック:「育休3歳まで、待機児童を5年でゼロ」は少子化対策にはならない | 菊地崇仁ブログ「ポイ探社長のブログ」

  2. ピンバック:日本の未来は少子化問題対策にかかっている | 菊地崇仁ブログ「ポイ探社長のブログ」

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