Facebookが世界中で7億人を超えるアカウントを獲得し、サイトの滞在時間もGoogleやYahoo!等のポータルサイトを押さえて首位になったというニュースを見ました。
日本でもFacebookアカウントを持っている人が多くなってきています。ポイ探にもFacebookアカウントでユーザ登録、ログインできるように変更したりと、Facebook対応を行ってきました。
Googleが提供しているSNSはorkut、Googleバズがありますが、どちらも中途半端なもので、前者はmixiのような感じで一昔前のSNS(mixiもつぶやき機能を入れたりしていますが勢いはなくなっています)、後者はtwitterに対抗するためのものだと思いますが、サービスインの時に躓いた印象があります。GoogleのSNSでの躓き、Facebookのサイト滞在時間などのニュースを見る限り、Facebookの勢いは止まらないだろうと思っていましたが、Google+を発表して、状況が変わったかなと感じました。
GoogleがFacebookを脅威に感じているのは、「広告」と「アクセス出来ない情報」にあると思います。Googleの収益のほとんどが広告に関するものですので、広告が減る事が一番の問題になります。広告を出す側としては、より目立つところ、より効果が高い所に広告を出したいと思いますので、Facebookの滞在時間が長い、保有している個人情報で的確な広告を出せるというのが広告主を惹きつけます。
また、Googleの理念で、世の中の全ての情報を検索させる事を掲げているため(参考:Googleの理念)、Facebookにある情報にアクセス出来ないのは歯がゆい思いをしているのではないでしょうか。
この脅威を取り除くために発表したのがGoogle+で、社名に「+」ですのでかなり力を入れたプロジェクトではないかと思います。
まず、Google+は招待制にしたため、eBayなどでも招待状が出まわったりと、招待状に価値をつけることに成功しました。これはGmailの時に使った手法で、使えるユーザ数を制限して、バグをとりつつ、規模を徐々に大きく出来るというメリットがありました。今回のGoogle+の招待制が、同じような意味合いなのかはわかりませんが、「使ってみたい」と思わせることで一気にユーザを増やすことに成功したのではないでしょうか。これで、Googleバズのようにスタートで失敗しなかったのだと思います。
Googleは多くのウェブアプリを保有しており、Googleが提供している何らかのサービスを利用している人も多いと思います。このGoogleが提供しているサービスを統合するのがGoogle+になった時が他のSNSが厳しくなる時ではないかと思います。
Picasaは既にGoogle+に組み込まれていますが、Googleリーダー(RSSリーダー)、カレンダーのリマインダー機能、Gmail等が全てGoogle+のストリームに統合されると、Google+さえ見ていれば他のサービスを利用しなくても良くなる可能性が出てきます。そうなると滞在時間を長くすることができ、多くの個人情報を取得することができ、より広告収益を伸ばすことができると思います。また、自社サービスですので、当然全ての情報をインデックスさせることもでき、アクセス出来ない情報が無くなります。
今までのSNSとの違いは「サークル」という機能があるため、プライベートのサークル、仕事のサークル等をわけることによりビジネスでもプライベートでも使えるようになっています。ドキュメントをアップロードし、他人とビデオチャットしながら共同作業も可能となり、家でも会社でもGoogleのプラットフォームを使う可能性は高いです。
まだまだFacebookのユーザ数とは差がありますが、Google+のユーザが増えれば増えるほどFacebookはMyspaceのようになっていくのではないかと思います。世界最大のSNSであったMyspaceがいつの間にかFacebookに飲み込まれ、同じようにFacebookがGoogle+に飲み込まれる可能性も高いのではないかと思います。