最近は、「家を買うな」という人も増えて来ました。主張をまとめると、
- 家は資産ではなく負債である
- 制約が増える
- 人口が減少しているため、土地の値段はどんどん下がる
というような感じでしょうか。特に反論するつもりもなく、その通りだと思います。
“1”に関しては、ローンを返すために働いているようなものという指摘で、金持ち父さん貧乏父さんで書かれていますね。確かに30年かけてローンを返しても、その頃には資産価値はほぼゼロになっているでしょう。それでも「土地が残る」という人は、”3″を読んで下さい。”2″に関しては、転勤で結局住めなかったとか、子どもの教育を考えて、〇〇を受験するから引っ越したいけど家があるので引っ越せないとか行動の範囲が狭くなるという意味です。”3″に関しては、出生率が低下しているため、どんどん人口は減り続け、当然、土地の値段は下がり続けます。地方に行けば行くほどこの傾向は顕著だと思います。「価値が下がるとわかっているのに、高いお金を払って買う意味あるの?」というのが先ほどの「家を買うな」の主張につながります。
ただ、DINKS(子供がいない夫婦)であったり、独身だったりの人たちが「家を買うな」と言っていても、”3″の原因を自分達で作っているということも考えて欲しいと思います。少子化問題が解決されれば”3″も少しは解決するとは思うのですが。「未だに土地神話を信じている人って何なの?」という人で子供がいない人(または子ども1人の人)は、自分達で人口減を招いているのですから、まずは2人以上産んでから言って下さい、と言いたいです。
家を買おうと思っている人は、金銭的に見ても、それ以外の制約が増えるという点でも、家を買うのはリスクがありますよ、とは言いたいと思います。しかし、私も家を買っていますし、購入そのものが悪いとは思っていません。経済全体で考えれば、住宅購入は金額が高いですので、様々な業界に仕事が行き渡ることになります。鳶さんがいたり、左官屋さんがいたり、インテリアコーディネーターさんがいたり、壁紙を作っている人がいたりと、色々な人の仕事が増え、家電も売れます。政府が住宅ローン減税を行うのは、裾野の仕事を増やし、景気回復につなげるためでしょう。こんなことを考えて住宅を購入したわけではありませんが、実際に買ってみると、”住宅を購入させる”というのは確かに経済効果は高いだろうなと実感しました。
しかし、住宅ローン減税やエコカー減税、家電エコポイントなどの景気刺激策をやったり、アベノミクスで”異次元”の景気回復策を行なっていますが、穴の開いたバケツに水を入れているようなものだと思います。今までは、穴から出て行く水の量と、注ぐ水の量が同じだったものを、注ぐ水の量を倍にしたというイメージですよね。当然、バケツには水は貯まっていきますが、景気刺激策をやめるとバケツの水は無くなります。この”穴”というのが”少子化”で、この問題をそのままにしていると、一時的には景気回復はすると思いますが、日本の未来は暗いままではないでしょうか。将来、消費税は確実にアップしますよね。今の景気回復も重要ですが、それ以上に重要なのが少子化問題だと思います。本気で少子化対策をやってくれる政党は無いものでしょうか。そうすれば、「家を買うな」の”3″は取り除かれ、住宅購入者が増える可能性もあるはずです。
「人口が減っても、機械(コンピュータ)がその代わりに仕事をして、国として成長出来れば良い」という意見もあるとは思いますが。
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