先日、大切なデータのバックアップ方法という記事で、重要なデータや子供の写真等を保存するにはRAID1かRAID5のハードディスクを使いましょうということを書きました。おすすめはRAID1のハードディスクですが、それでも完璧な保存ではありません。

例えば、落雷によりハードディスクが壊れる可能性があります。または、ハードディスクごと盗まれる可能性もあります。これらの場合はRAID1やRAID5を使っていても復旧するのは難しいでしょう。

そこで、さらにバックアップをすれば良いのですが、方法は2つあると思います。

1. 他のロケーションにバックアップを保管する
2. オンラインストレージを使う

他のロケーションにバックアップというのは、例えば会社に同様のRAID1のディスクを用意し、そちらにも全く同じデータを入れておくか、ポータブルHDDに入れて、会社で保管する等が考えられます。ただし、この方法は非常に面倒です。

次にオンラインストレージを使うという点ですが、写真はかなりの容量ですので、価格と使い勝手が気になります。そこでいくつか比べてみました。

• Dropbox

50GBのディスクスペースで$9.99/月。100GBのディスクスペースで$19.99。使い勝手は普通のフォルダ感覚で使えるため非常に便利です。また、デバイスもPCの他にスマートフォン等も使えるため、人に見せたりするときにも便利です。問題点は100GB以上のプランが公開されていないことです。100GBを超える写真がある場合は選択肢から外れます。

• Amazon S3

いくつかサーバの地域を選択することができますが、アップロードやダウンロードスピードを考えると、やはり東京を選択することになると思います。東京を使う場合は1GBあたり$0.150/月。50GBの場合は$7.5/月。100GBの場合は$15.0/月。使い方はWebでのアップロード、ダウンロードがメインで、Firefoxのアドオンなどを使う方法もあります。限られたディスクスペースが無いため、容量を気にせずに使うことができます。ただし、アップロードに関しては転送量がかかりませんが、ダウンロード時に0.201/GBかかりますので、何らかの不具合でRAID1のディスクが壊れた場合Amazon S3から復旧する時に転送量による課金も発生するのがネックです。

• Google Docs

Google Docsはドキュメント以外も保存できるようになっているため、zip圧縮などでファイルを纏めて圧縮するとアップロードしやすいです。20GBの容量で$5/年。80GBの容量で$20/年とDropboxやAmazon S3よりもかなり安い金額設定です。さらにGoogle Docsの無料容量1GBがデフォルトで付きます。Google DocsはWebでのアップロード、ダウンロードのみですので使い勝手はあまり良くないです。

あとは、信頼性がどのくらいかですが、Amazon S3以外は公開されていないようです。Google Docsの場合は「データが消えた」とかフォーラムでも書かれていますが、その後のことが書かれていませんので、本当に消えたのか、非表示になっているだけなのかがわからない状況です。

また、アップロード、ダウンロード速度も重要です。上記の3つのサービスでは気にならない程度の速度でアップロードしたりダウンロードしたりすることができます。オンラインストレージの使用レポートで、全てのデータのアップロードで1ヶ月かかったなどという報告もありますので、アップロード、ダウンロードは無料期間や無料容量で試してみてから有料に移行しましょう。

私は、元々Picasaで20GBの追加容量を購入していました。Google Docsでもその容量を使えるため、Picasaで使っていない容量を子供の写真バックアップ容量として使うことにしました。

容量無制限のオンラインストレージも登場というニュースもありますので、現状より安くバックアップできるようになると思いますが、ある程度規模の大きな企業のオンラインストレージを使うことをお勧めします。トレンドマイクロ社が発表したSafeSyncはわずか数ヶ月で撤退というニュースもありました。

紙の写真は元データさえあれば復活できますが、そのデータを安全に保存するのはなかなか大変ですので、オンラインストレージをうまく活用してデータが消えないようにしましょう。